ヤフオクでサーバーを買うときの話。

 この記事はTSG Advent Calendar 2020の18日目の記事になります。投稿が遅れまして申し訳ありません。

はじめに

 今回はヤフオクを利用して中古のサーバー等を購入する際の注意点について話そうかと思います。最初に断っておきますが、この記事はヤフオクを利用したせどりのやり方を説明するような記事ではございません。例えばサーバーが家に欲しいけど新品は高くて手が出せない、といった僕のような学生向けの記事となります。

ヤフオクのPC関連における現況

 ヤフオクはネットオークションであることはご存知かと思います。今回はPC関連の話に限って話を進めていきます。まずはヤフオクを利用する際のメリットデメリットを整理しましょう。

 

 メリット

  • 他のフリマや中古販売店よりも安く買うことができる。
  • 今は市場に出回っていないものが買える。

 デメリット

  • 個人では修理ができないものをつかんでしまうことがある。
  • 保証がない。
  • 送料が高い。
  • 買ってから使用できるまでに時間がかかる。

 

 つまり、基本的には安く買うことに妥協してはいけず、修理できないものは買わないということがヤフオクで購入する上での鉄則です。デメリットの「時間がかかる」というのは、購入から自宅に届くまでの期間の話というよりも、届いてから実物が動かなくて原因を特定するのに手間取ることを意味します。

 次に出品者の特徴を整理します。ヤフオクでPC関連の出品をしている人たちは以下の三つのグループに分けられます。

 

  1. 個人であり、使わなくなったPCをそれなりの値段で処分したい人
  2. 個人であり、継続して利益を出す目的で販売をしている人
  3. 企業であり、継続して利益を出す目的で販売をしているストア

 

 そしてこの三者を見分ける簡単な方法があります。ヤフオクにおける個人間での取引は課税対象ではないので出品物に税はかかっていません。税金がかかってる場合は必ずストアの商品です。ストアか個人であるかは検索する際に絞り込むことができます。また、個人に紐づいている「出品者に対する評価」の個数が3桁をこえているならば、2のグループの利益目的の個人と判断して良いと思います。あと、「〜最強化計画」等の銘を打っている人も2のグループの人です。

実際に購入をする際にチェックするポイント

 ここでの大前提として買おうとしているものは既に決まっているということにします。サーバーを買うにしても用途に合わせて適切なスペックのものを選ぶ必要がありますが、それについて詳しくみるのは本記事の趣旨ではありません。

 まずはその商品の落札相場を調べる必要があります。ヤフオクの落札相場はググればすぐ出てきますので、そのサイトを見るわけですが、注意点として前述した3のグループの出品物で新品のパーツが採用されていないものを基準とするべきと考えます。新品のパーツをわざわざ買っているのは、そのような手間をかけた上でもより高い値段で売れる現状があるということです。(ノートパソコンの液晶のような致命的な部分を新品としているのはまたちょっと別な話です。)つまり、新品のパーツを含有している商品は割高なんです。また、個人での出品は写真の撮り方や公開情報が不足しているなど個人差があるので相場の把握の際には参考程度にしか見るべきではないと考えます。

 相場を知ったら次に現在出品されている物の中からお得なものがないか探すことになります。その際に注意すべき点を列挙し、それぞれ説明していきます。

  • 価格

 言わずもがなです。送料が別表記かどうかも要チェックです。送料0というのは、当たり前ですがその分は本体の料金に含まれています。商品のサイズが大きいとそれなりの送料がかかります。中には梱包の代金を送料に含めているようなケースも見受けられます。送料が明記されていない場合もありますのでその時は高めに見積もっておくべきです。オークション開始時の価格も判断材料の一つです。

  •  出品者に対する評価のいい評価の割合と悪い評価の内容

 地雷な出品者をひかないための措置です。

  • ウォッチ数と直近で同じ商品を落札できなかった人の数

 ウォッチ数はスマホのアプリからしか見ることはできないですが、どのくらいの人が関心をもっているかの重要な指標です。ウォッチしていないと価格の変化の通知がこないので当然自分もウォッチをします。直近の同じ商品の入札者数が多いのにウォッチが極端に少なければ今見ている商品に問題がある可能性が高いです。例えば値段が高すぎたり、修理不能な重大欠陥があったりと。

  • 出品者のグループ

 前述したグループについての話です。まず第一に2のグループである継続的な利益目的の個人からの購入は割高なのでお勧めしません。企業が型落ちのサーバーを処分するときには個人には普通依頼しませんよね。個人だと特別な仕入れ先をもっているわけではなく、個人で頑張ってる分の労力が価格に反映されてしまっています。そしてこういった方々は大抵即決価格かそれなりの値段からスタートのオークションです。もし仮に開始価格のまま終わってしまったとしても損しないような価格設定がなされていると見て良いと思います。3のグループだと企業なのでたまに期間限定の保証があったりしますが、あってないようなものです。1のグループはなかなかお目にかかることはなく、ものによるという感じです。また、中には個人アカウントであるにもかかわらず当社という表現をつかっている人たちがいます。このような人たちは税金分のお金を余分に本体料金の中に含めていると解釈します。基本的には3の企業から購入することになると思います。

  • 不具合のある箇所

 これこそが最も重要な情報なので次のトピックとして重点的に見ていきます。

不具合のある箇所についてのチェック

 故障に関する情報は大抵明かされていませんがまず逆に考えることで推測できます。ヤフオクではたいていここまでは確認できたよという書き方がされます。例えば、通電確認済みだとか、bios起動確認済みだとか。出品者で特に商売でやっている人はいかにして高く売るかを考えています。画面が映るならそれを明記して写真を載せますし、外付けのハードドライブで起動できたならそれをアピールします。ですから、通電確認済みとだけあるなら画面は映りませんし、bios起動確認済みとだけあるならそれより先に難があって単純に外付けのディスクを繋げるだけでは起動しないと考えるべきです。明かされているプラスの情報以外はすべてダメな状態であると解釈してから次のステップに進みます。

 次に実際の商品の故障箇所を推測していきます。まず最初にその商品の公式のマニュアルを読み込むことを怠ってはいけません。不具合の原因を特定するのにここをチェックしないのは問題外です。次に故障事例を探してその解決方法を探します。公式ドキュメントから個人のブログまで、修理できるとはっきりと確信できるまで探してください。場合によってはwikiや5chに載っていたりします。確信できなかったらその時点で購入は避けた方がいいです。また、原因が特定できたとしても交換用のパーツの値段が高かったり電子工作が必要なら避けるべきだと思います。この記事ではこれこれがだめならここが原因だと断定することはしません。ものによるからです。

 さて、不具合のある箇所を推測したら場合によってはその部分のパーツは別で買うことも視野に入れるわけですが、ここでその商品では使えないものを購入してしまうことがあります。たとえば、ECCメモリをつかえるのかどうか、RDIMMなのかUDIMMなのか、PC3でもだいじょうぶなのか、それによってパーツの値段が変わってきますし間違えた物を買ったら悲惨です。アップグレードを検討する際にも注意が必要なのでメモリとかは特に重要です。買った時は4GBでも十分だと思っても増設したくなったりします。例えばRDIMMは投げ売りされている一方でUDIMMはそこそこ高いです。UDIMM の2GBのサーバーが手ごろな値段だったとしてもメモリを増やすことを考えるとお得ではないというケースもあり得ます。

実際の失敗談

  mac pro early 2009を買った時の話です。二つのcpuが乗っているモデルですがそれなりにお得な価格でした。通電確認済みとだけあり、画面が映っている写真はなかったので画面は映らないんだろうなと考えてその場合の原因と修理方法を検索し、グラボの不良だと結論づけて純正のグラボとその商品を別々にヤフオクで買いました。両方合わせても少しお得だったんです。ウォッチが他の商品とくらべてすこし少ないのは気になりましたが、難があるのと開催期間が短かったからだと考え落札しました。純正のグラボを買ったのはmacefiでの起動の際に純正じゃないと起動ディスクの選択ができないからです。しかし、結果はグラボが原因ではありませんでした。実は他にもチェックすべき点があったんです。それはmac固有のものだと思いますが、起動音の有無です。macの修理を専門としている業者のブログにだけぼそっと書いてあったのを後から発見したんですが、通電しファンは回るが起動音がせず画面が映らないのはドーターボードというcpuの乗っている基盤の故障が原因で、ドーターボードを交換しないとダメだったんです。そして、ドーターボードがこれまた高いんですね。マザーボードよりもだいぶ高い。この失敗は運が悪かった点もあります。ヤフオクの同じ商品の他のどのページにも起動音のことは書いていないんですね。つまり普通はグラボの故障なんです。しかし、もし事前に一連の情報を知っていれば質問の欄で起動音がするのかどうか聞けば回避できたかもしれません。結果としては無駄にグラボを一個買った上商品そのものも全然お得ではなかったと。大失敗の極みでした。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。非常にめんどくさいと感じたかもしれませんがそれでもやらないと必ず損をします。ここまで書いたことはなにも専門的なことではありません。ヤフオクで大量に購入をしていたらいずれ誰でも気づくようなことですが、失敗をたくさんするのはいやですよね。特に安いサーバーを一台買うためだけにヤフオクを使った場合最悪です。

 失敗談はデスクトップの話でしたが大半の学生がヤフオクを使ってPCを買う時は中古でサーバーを買ってみたい時ぐらいだと思います。2世代から3世代くらい 前の業務サーバーが投げ売りされてるので、置くスペースさえあればぜひ買いましょう。僕はha8000/ts10と言う日立の2012年製のサーバーを送料込みで2000円で落札できたのでそれを使っています。個人のファイルサーバーとしてはそれでも十分でした。ここまで読んでいただいてありがとうございます。もっと技術的なことを書いていけるようになりたいですね。